監督:森義隆 原作:小山宙哉「宇宙兄弟」(講談社『モーニング』連載) 脚本:大森美香 出演:小栗旬、岡田将生、麻生久美子、濱田岳、新井浩文、井上芳雄、塩見三省、堤真一、益岡徹、森下愛子、吹越満、ほか 2012年 |
連休も、ほとんど毎日深夜まで仕事漬けなので、一息入れたくて、気楽に観られそうな映画を観に行って来た。またまた原作は漫画かと、あまり食指が動かずにいたが、麻生久美子、濱田岳、新井浩文と、私の好きな俳優さんたちも出演していることを知って、俄然観る気になった。ほのぼのとして楽しい映画だったと言えるだろう。
幼い頃から宇宙に興味を抱き、将来は宇宙飛行士になろうと約束を交わした仲の良い兄弟、南波六太(小栗旬)と南波日々人(岡田将生)。長じて、日々人は実際に宇宙飛行士になったが、六太は自動車会社で新車開発を担当するサラリーマン。しかも、上司と衝突してクビになってしまう。そんな折、JAXAが次期宇宙飛行士の募集を行い、六太のもとに、第一次書類審査合格の通知が届く。それは日々人が勝手に応募したものだったが、日々人は尻込みする六太に幼き日の約束を思い出させる。常に弟の前を行くのがモットーだった六太は遅れはとったものの、約束を果たそうと、第二次、第三次試験に挑戦する。
兄弟の幼い日のエピソードがかなり丁寧に描かれるが、見所は第三次試験となる閉鎖環境ボックス内での10日間だ。ひとりひとり個性の異なる6人の受験者が共同生活を送り、様々な課題に挑戦する。能力と人間性が試される試験だ。六太と一番気が合い、すべてにおいて優れた能力を発揮する真壁ケンジ(井上芳雄)、紅一点の爽やかな美女、伊東せりか(麻生久美子)、口から先に生まれたような血の気の多い関西人、古谷やすし(濱田岳)、クールで他人と馴染まない溝口大和(新井浩文)、過去にも受験経験のある最年長受験者、福田直人(塩見三省)の6人が、ときにいがみ合いながら過ごす10日間が、映画の中でもっとも面白かった。とりわけ、濱田、新井、塩見は、これまでのキャリアからすると意外性のある役柄で、彼らの新たな一面が引き出されていたのが楽しかった。閉鎖環境ボックス内のシーンは、かなり力を入れて撮影したそうで、ここでのやりとりをもっと見たかったという気がする。
NASAの許可を得て撮影されたロケット打ち上げシーンや、JAXAの協力を得て実現した本物の管制室など、見所は多いが、やはり核となるのは人間模様だ。漫画の世界に過ぎないストーリーにリアリティーを持たせたのは、辛辣なJAXA職員を演じる吹越満と、冷徹な溝口を演じる新井浩文の存在だと思った。ほのぼのに終始してしまいそうな流れを、彼らがびしっと締めてくれたような気がする。
挿入曲がゴキゲンだったのと、ちょっと登場する犬が可愛かったのもプラス要素だった。あとで映画公式サイトを見て、原作にキャラクターと出演俳優たちが非常にイメージが似ていることに驚いた。小栗のアフロヘアと、井上の無理矢理な前髪は、ちょっと…だが。そして、六太・日々人兄弟の子供時代を演じる子役が、これまた、小栗と岡田にそっくりな2人だったので、可笑しかった。
(2012.5.5 ユナイテッド・シネマとしまえん にて)
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