2012年12月01日

『砂漠でサーモン・フィッシング』試写会

監督:ラッセ・ハルストレム
原作:ポール・トーディ「イエメンで鮭釣りを」(白水社刊)
脚本:サイモン・ビューフォイ
出演:ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマス、アマール・ワケド、トム・マイソン、ほか
原題:SALMON FISHING IN THE YEMEN
2011年イギリス

面白そうなテーマに惹かれて、試写会に応募したところ当選し、昨日行って来た。ほぼ予想通りの作品だったと言ってもよいだろう。イギリスらしいシニカルさの混じったユーモアが特徴の映画だった。

さえない水産学者アルフレッド・ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)の元に1通のメールが届く。差出人はハリエット・チェトウォド=タルボット(エミリー・ブラント)、イエメンの富豪シャイフの代理人である。砂漠の国イエメンに川を作り、鮭を釣りたいので協力をという依頼であった。荒唐無稽な話として、依頼を一蹴したジョーンズだったが、一件を漏れ伝え聞いた首相の広報官パトリシア・マクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)は、この件が首相の支持率に好影響を与えると乗り気になり、結局国家プロジェクトにまで発展してしまう。不可能に思えるこのプロジェクトの行方はどうなるのか。つきあい始めたばかりの兵士の恋人が戦地で行方不明になってしまったハリエットと、妻との関係がぎくしゃくし始めたジョーンズの間の友情関係はどうなるのか。

なんといっても、パトリシアのキャラクターが最高に楽しい。首相広報官として機関銃のように喋りまくり、家庭ではたくさんの子供の母親としてこれまた口うるさく、一時もじっとしていることのない行動的な女性だ。この作品の前にクリスティン・スコット・トーマスを観たのは昨冬の『サラの鍵』だったから、そのギャップの凄さに感動する。だが、彼女の少し険のある顔立ちは、こういうコメディータッチの作品のほうが似合うような気もする。

脚本家は、かの『スラムドッグ$ミリオネア』を書いた人だから、期待できると思っていたのだが、どうもパトリシア以外の人物像が印象に残らないし、描き方も甚だ物足りない。ジョーンズもハリエットも魅力的に見えないのだ。そもそも、いやしくも水産学者なら、もう少しインテリに見えるはずだと思うので、ユアン・マクレガーではピンと来ない。面白かったのは、パトリシアの周辺だけで、首相とのLINE風のチャット会話などは秀逸だと思うが、肝心の砂漠に水を引く大事業のほうは、その大がかりなはずのプロジェクトが伝わってこない。ジョーンズが何に寄与したのか思い出せないほどだ。ディテールは洒落ているのに、全体がぼやけた印象の作品だと思った。ジョーンズ博士、絵はうまかった!

(2012.11.29 よみうりホールにて)

映画公式サイト
posted by すいっち at 02:03| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『砂漠でサーモン・フィッシング』お薦め映画
Excerpt: 今まで会ったことのないタイプの人間に親近感を覚え、アルフレッドは堅実な人生を投げ捨てて、荒唐無稽な砂漠の夢に賭けることになる。最初から最後までユーモアたっぷりで、仕事にも恋にも今一つ押しの弱いアルフレ..
Weblog: 名機ALPS(アルプス)MDプリンタ
Tracked: 2012-12-13 08:22
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