2014年05月04日

『テルマエ・ロマエII』

監督:武内秀樹
原作:ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」(KADOKAWA エンターブレイン刊)
脚本:橋本裕志
出演:阿部寛、上戸彩、北村一輝、竹内力、宍戸開、笹野高史、市村正親、キムラ緑子、勝矢、曙、琴欧洲、菅登未男、いか八朗、松島トモ子、白木みのる、ほか
2014年

感想を書く暇のないままに、公開初日に観てから1週間も経ってしまった。前作を観て気に入った連れ合いが「IIも面白いかな、観に行こうか」と言うので出かけた。確かにエンターテインメントとしてはパワーアップしていて、普通に面白かった。ストーリーのほうは、前作よりシリアスになっていて、前作で憎まれ役だったケイオニウス(北村一輝)に焦点をあてている。ジャック・ルイ・ダヴィッド描く「アルプスを越えるナポレオン」の絵にそっくりなケイオニウスの馬上の勇姿に、おお!格好いい!と感嘆する。

テルマエ自体もスケールアップしている。前回は個々のテルマエの設計だったが、今回ルシウス(阿部寛)が手がけるのは、「ユートピア」がテーマの、テルマエを中心に据えた一大娯楽スポットだ。そういう道具立ての大きさに負けないように、少しインパクトの強いケイオニウスの物語を持ってきたのだろう。ただ私の好みからすれば、前作の古代ローマと現代日本との落差から生み出されるクスクス笑えるようなディテールの積み重ねが気に入っていたので、やや大味な印象を持った。

面白かったのは、日本の技術を真似しても、古代ローマでは電力ではなく、奴隷による人力になるというところだ。これをもうちょっと大きく取り上げたら良かったと思うのだが、さらっと流されていたのは、奴隷という存在をあまり肯定的に描いてはいけないという判断からだろうか。

前回最も気に入った、ルシウスが現代日本にタイムスリップする際に歌われるオペラのアリア場面は今回も楽しかった。前回は山を背景にして歌われていたのが、今回は海である。しかも歌手の妻とおぼしき女性まで出て来て、何やら夫婦喧嘩の様相を呈してくるのが可笑しい。浪越徳治郎をパロった徳三郎(菅登未男)のエピソードや、松島トモ子の猛獣に噛まれるギャグなど、かなり高年齢世代を狙ったシーンが盛り込まれているが(残念ながら私はそれがわかってしまう世代)、若い層には何がなんだかわからないだろうし、私にとってさえあまり面白いとは思えなかった。阿部寛、上戸彩は変わらずどっしりと作品を支え、安定感がある。今回アントニヌス(宍戸開)をなんだかサエない男に描いたのは、ケイオニウスを目立たせるためだったのだろうか。

ちょっとしたことだが、確か前回はなかったと思う登場人物の喋る言語についての注記が可笑しかったし、あれがあることで違和感を覚えず作品を楽しめたと思う。

(2014.4.26 ユナイテッド・シネマとしまえん にて)

映画公式サイト
posted by すいっち at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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