2014年08月05日

『ノア 約束の舟』

監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ダーレン・アロノフスキー、アリ・ハンデル
出演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、レイ・ウィンストン、エマ・ワトソン、アンソニー・ホプキンス、ローガン・ラーマン、ほか
原題:NOAH
2014年アメリカ

観てから1か月半も経ち、かなり印象が薄れてしまったが、やっぱり良くも悪くもハリウッド映画(アメリカ映画と言うべきか)だなという感想だ。この映画の情報に初めて接したとき、創世記に書かれたノアの方舟の物語という映画のテーマに惹かれたのはもちろんだが、『ハリー・ポッター』シリーズ以外でのエマ・ワトソも、観ようと思うきっかけになった。

映画化するに当たって、どの程度聖書の記述を脚色するかにも興味があったが、ノアの養女イラ(エマ・ワトソン)を登場させたのは、男子ばかりでは映画として華やかさに欠けるということからだったのだろうか。それともイラのお腹に宿った子が男子か女子かに関して、ノアが神との約束とヒューマニティーの間で苦悩する様を描きたかったからだろうか。いずれにせよ、確かにノラの存在がなければ、映画化するに足るエンターテインメント性は実現できなかっただろうとは思う。

映画としての見どころは、何と言っても壮大な方舟と、集まってくる無数の動物たちのCGで、これは見事と言うしかない。方舟はおそらく聖書の記述にかなり忠実に作られているように思う。木材の種類から、組み立て方、内部構造、タールでの塗装など、ひとつひとつが目を惹き、これをもっとゆっくり見たいものだと思わせてくれた。そして、つがいで方舟にやってくる動物たちや鳥。この数たるや凄まじいもので、全編通してもっとも迫力を感じたシーンだ。動物たちはすべてCGで、本物は使っていないという。それでも実写との親和性は大したものだ。方舟の中で、動物たちを眠らせるために、イラが催眠効果のある薫香(?)を振って歩くシーンはとてもよかった。

一方、わざとらしさを感じさせる作画のために興味が削がれてしまった点も多い。ひとつは、ノアの方舟作りに協力し、外敵とも戦うウォッチャー(番人)の存在だ。こういった存在を現出させることに関しては、そう否定する気もないが、問題はそのビジュアルと動きなのだ。どう見てもロボット。トランスフォーマーじゃないんだからと思ってしまったし、岩と同化する様は、小栗旬が桃太郎を演じるペプシNEX ZEROのCMに出てくる鬼ヶ島の鬼とそっくり。いや、正直なところCMのほうが作り物っぽくないし、ずっと格好良い。ノアの方舟の話で重要なポイントとなるオリーブの枝をくわえた鳩だが、鳥のCGはよほど難しいのか、これが絶望的にデコイのよう。ここまで格好悪いのなら、無理に鳥を大きく写さなくてもよいのにと思う。

さて、主演のラッセル・クロウは、どう思えば良いのか…私の感覚では、まるでノアに不似合いな役者だと感じるのだが、アメリカでは「ノアはこうもあり得ただろう」と納得されるキャスティングなのだろうか。勝手な思い込みに過ぎないが、ノアはもっと素朴でバイタリティーを感じさせない人物のほうが良かったのではないか?ほかに気になったのは、衣装がスタイリッシュすぎるということだ。いったいいつの時代を描いたものなのかとわからなくなりそうだ。衣装は凝れば良いというものではないと思うが、ハリウッド大作ともなると、衣裳デザイナーは必要以上に張り切ってしまうのだろうか。

お目当てのエマ・ワトソンは変わらず可憐で悪くはなかったが、こういう役だと彼女の良さが発揮されないように思えて、もどかしかった。

映画公式サイト

(2014.6.22 ユナイテッド・シネマとしまえん にて)
posted by すいっち at 14:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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